ヘッドハンティングが始まりまもなく100年。ヘッドハンティング今昔物語
1920年代のアメリカで生まれたヘッドハンティング
ヘッドハンティングとは、クライアント企業から必要とするポジションのオーダーを受け、それに適合する人材の能力や資質をリサーチし、ターゲッティングした人材をスカウトしクライアント企業への移籍を目指します。ヘッドハンティングは1929年に起こった世界恐慌の後、アメリカで始まったといわれています。大恐慌で業務を整理する中、雇用の数は抑えたい一方で能力の高い人材への需要が高まったからです。その後アメリカでは元来労働市場の流動性が高かったこともあり、ヘッドハンティングによる移籍は一般的な採用形態となります。
日本でのヘッドハンティングの歴史
終身雇用が基本で労働市場の流動性が非常に低かった日本にヘッドハンティングが入ってきたのは1970年代だといわれています。外資系企業が日本に進出する際、優秀な人材をリサーチしスカウトしたことが始まりです。しかしヘッドハンティングはあくまでも外資系企業が行う採用活動であり、日本ではなじまないとされてきました。その流れが変化し、中小企業までもヘッドハンティングにより人材の確保を始めたのが1980年代後半から1990年代初頭にかけてのバブル景気の時代です。空前の人手不足に陥ったこと、プラザ合意後の急激な円高により現地生産に企業がシフトし、海外展開に積極的になったことなどが理由として挙げられるでしょう。
ビジネスとして脚光を浴びるヘッドハンティング
そして、バブル経済の崩壊。世界恐慌後のアメリカと同様に日本でもヘッドハンティングの流れが加速しました。特に顕著なのが、エグゼクティブのヘッドハンティングです。国内有名上場企業から、国内の同業他社へ、あるいは他業種のCEO就任など、ニュースで取り上げられる、驚くような移籍劇の影には必ずヘッドハンティング会社の働きがありました。ヘッドハンティングがビジネスとして脚光を浴びるようになり、2000年代になるとエグゼクティブサーチやヘッドハンティングを扱う会社が次々と設立されました。売り手市場が続く採用市場ではこれらの会社が今後も成長を続けていくと考えられています。